駒ヶ根市 ゲストハウス bochi-bochi

 

先週ペチカのメンテナンスのことで、駒ヶ根市赤穂にあるゲストハウス「bochi-bochi」へ行ってきました。

https://www.booking.com/hotel/jp/gesutohausubochi-bochi.ja.html#tab-main

 

 

 

古い平屋の一軒家を若いご夫婦お二人でセルフリノベーションした小さなゲストハウスです。

 

3年程前、自分たちでリノベーションを始めるに当たり、ペチカや材料のことで相談に乗らせて頂いたのがきっかけで、お付き合いさせて頂いています。

 

 

外観は一見普通の家に見えますが、建物の中に入るとオーナーご夫妻手づくりによるアジアンテイスト溢れるセンス良い空間が広がります。
(よく見るとリビング中央にはブランコが!)

 

 

ご主人の村尾健太郎さんは、普段山仕事もやられていて、ご自分で切った木をうちで製材加工してフローリングに使いました。

 

ケヤキ、サクラ、アカマツ、カラマツ、色んな樹種の床板が並びます。

 

 

「タモ材」のカウンターテーブル。

会社の中でいつまでも使われずに眠っていた幅の狭いタモの板が、見事によみがえりました。

 

 

 

改修する前までは天井裏に隠れていて見えなかった年代物の梁も、晴れてもう一度日の目を見ることに。

 

 

タイルや洗面陶器など、ネットで取り寄せられるものは自分たちで用意し、手作りだけれど味わいのある優しい空間に仕上がっています。

 

もちろん、電気工事や設備工事、それから難しい大工工事など、どうしても自分たちだけでは出来ない工事は、ちゃんと専門の業者さんにお願いしているので、見た目だけでなく機能的にもとても居心地の良い空間に仕上がっています。

 

 

 

本格的に営業を始めたのは今年に入ってから。ちょうどコロナの影響をまともに受け、開店出だしから逆境のスタートだったようですが、

客数を一日一組限定にしたことが逆にお客様には好評だそうで、しばらくはこのスタイルでやってみようかな・・・との話し。

 

まさにゲストハウスの名前の通り

気負わず、気長に、ボチボチと、ですね。

 

僕も、時間があればここに泊まって、

秋の夜長、時間を忘れてのんびりしたいな~

と本気で考えるのでした(笑)

 

ひとつだけ 矢野顕子/忌野清志郎

https://www.youtube.com/watch?v=GMWKeBEoF1M

 

 

 

リビルディングセンター(諏訪市)

 

先日、諏訪市にあるリビルディングセンターへ行ってきました。http://rebuildingcenter.jp/

 

リビルディングセンターは、今から4年前にデザイナーの東野唯史(あずのただふみ)さんが起ち上げた会社で、地元建設会社所有の古い鉄骨倉庫を借り受け、自分たちでリノベーションして見事に店舗へと蘇らせた、知る人ぞ知る古材を扱う専門店。

今回は店舗の一角に入れさせて頂いたペチカのメンテナンスで伺いました。

 

 

東野さんとの出会いは今から6年前、やはり東野さんがデザイン改修を手掛けられた下諏訪町にあるマスヤゲストハウスにペチカを入れさせていただいたのがキッカケでした。http://masuya-gh.com/ その時にペチカの温かさに惚れ込んでくれて、リビルディングセンターにも取り入れてくれたのです。

最後に顔を出してから約2年ぶりの訪問でしたが、その間にお店の方も随分とパワーアップしていました。

県内各地から引き上げてきた古材が所狭しと並んでいます。

 

また、古材だけでなく古道具や古家具なども置いてあり、古いものが好きな方にはよだれが出そうな空間です。

 

1階のカフェではスタッフさんが美味しそうなカレーの仕込み中。何とも言えないスパイシーな香りが漂っていて、ちょうど夕方のお腹が空く時間帯だったのでお腹がグーグー(笑) 次回は必ず食べるぞ!!

 

ところで、東野さんは昨年自宅として購入した民家を「断熱リノベーション」したそうです。信濃毎日新聞にも大きく記事として取り上げられたので僕も知ってはいましたが、これからの時代は古い家の改修にも「断熱」が大事だという話でしばし盛り上がりました。

実は最近いろんな所でいろんな方と、この「断熱改修」が話題に上がります。これからの時代古い建物を直して住み続ける動きが益々加速していくハズ。古い家でもちゃんと手を入れれば新築と同様に快適に過ごすことが出知ることを、我々設計者・施工者が先ず勉強しなければいけない時代が来ています。

 

 

最後に、、、

有賀製材所の近く(伊那市西箕輪大萱)に昨年オープンした地ビールとピザのお店「伊那デイズブルーイング」https://www.inadazebrewing.com/ も東野さんがデザインを手掛けられたそう。 信大農学部卒の女の子がお店を切り盛りしています。一度友人と行きましたがピザがとても美味しかったです。興味があれば是非!

 

 

ペチカ煙突のつまり

 

昨年暮れのことですが、ペチカがうまく燃えずに煙が室内に逆流してしまう との電話をもらいました。

話しをしていく内に、今から20年近く前にペチカのみを施工させて頂いたお客さんであることを思い出しました。煙突掃除を最近いつしたか聞くと、シーズン前に業者に見てもらったとのことなので煙突の詰まりが原因では無いと思われます。

煙が室内に逆流する原因は煙突の詰まり以外ではほぼ一つ。室内(ペチカ内部)と外気との温度差が無い場合に熱と煙がうまく煙突内部を上昇せずに室内に逆流するパターン。

外気がまだそれほど寒くないシーズン始めなどに、窓を閉め切った状態でかつ台所などの換気扇が回っている夕方時に良く起こる現象で、要は室内の気圧が負圧になっているため煙が煙突を昇っていかずに逆流してしまうのです。大抵は近くの窓を開けて空気を取り込んでもらえれば解決するので、今回のケースもおそらくそれが原因だろうと思いましたが、この状況が何日も続いているということが引っかかり、また随分とご無沙汰していたこともあり直接伺うことにしました。

早速次の日、普段ペチカを焚かれているというお婆様と煙が逆流する仕組みなどを話しながら慎重にペチカを焚いてみました。もちろん近くの窓も開けて空気を確保した上で。

それなのに、確かにペチカの焚き口や掃除口金物のすき間から煙が逆流してくるのです。火の燃え方も全然勢いが無く明らかに何処かがおかしい。煙がモクモクと充満する中、一旦燃えだした焚口の薪を何とか外に出して、もう一度ペチカの内部を覗いてみるも、これと言って問題になるようなところは見当たらない。もしかして煙突の中に何か詰まっている可能性も捨てきれないため、煙突直下の掃除口を開け、下からスマホで煙突内部の写真を撮ってみたところ、、、

 

煙突掃除をしたというのに、しっかり詰まっているではないか!!

どうやら普段からダンパーの開閉をしないまま、半開きの状態のままでペチカを焚いていたことが判明! 煙突掃除もダンパーをしっかり開けないまましたらしく、せっかく掻き落としたススがダンパーのところでせき止められていたのでした。

下から細い鉄棒を突っ込み、手探りで詰まっていたススを掻き落としたところ、出るわ出るわ! これだけ詰まっていればそりゃ燃えないわ!! ってくらい出ました(苦笑)

 

 

 

 

引き渡し時にペチカの焚き方を説明して依頼、その後一度も顔を出す機会が無いまま来てしまったこともあり、お客さんも今一つきちんとしたペチカの焚き方をマスターしないまま何となく使い続けてしまった結果が今回のケース。 今回は幸いにして弊社に連絡を頂けたので解決しましたが、知らずにそのまま使い続けることで重大な事故に繋がることだって可能性としてはあり得ると思います。 ペチカの焚き方は、他の薪ストーブと同じで「こうでなければダメ」といった決まりがあるわけではなく人それぞれの焚き方・楽しみ方があって良いと思いますが、最低限の焚き方や手順・ルールがあることも事実です。今回の出来事を期に、私たちも再度ペチカのお客さんに対して適切なアフターフォローが出来ているか見直す必要があると感じました。

 

因みにペチカを使う上で特に気をつけるポイントは大きく二つ。

一つ目は何と言っても「薪の乾燥」です。これはペチカに限らず薪ストーブ全てに言えることですが、生っ木の薪を焚き続けると、てきめんにペチカ本体や煙突の内部が汚れます。上記写真の煙突内部にも黒光りするススがびっしりと付着していますが、これは未乾燥の薪の水分がタール(木酢液)となって滲み出て固まったものです。煙突内部にこれらが溜まっていき、ある時発火して煙突の中で激しく燃え出すのが「煙道火災」です。薪ストーブの火災原因の圧倒的第一位がこの煙道火災によるものです。

二つ目は、ある程度「勢いよく燃やす」ことです。ペチカ本来の暖房能力を最大限に発揮させるには、いかに本体レンガに多くの熱を蓄えられるかに関わってきます。その為にはある程度勢いよく燃やすことが重要になってきます。火持ちよりも「火力」なのです。長時間でなくて良いので勢いよく燃やすことでレンガに多くの(高温の)熱を蓄熱させる。火が消えればダンパーを閉じて温かい空気を逃がさないようにする。これが有賀製材所で作っているペチカの基本的な焚き方です。

一番いけないのは、乾燥の甘い薪を長時間トロトロと焚き続けることです。これをやるとてきめんにタールがこびりつき、酷い場合はレンガの目地から外に染み出てきてレンガを真っ黒に汚します。煙突からも常に煙がモクモクと出続けるため良いことが一つもありません。

 

 

乾燥さえしっかりしていれば薪の種類は問いません。よくマツなどの針葉樹はヤニっ気が強く薪には向かないのでは、という意見を耳にしますが、乾燥さえしっかりしていれば全く問題ありません。むしろ、燃焼温度が高い針葉樹の方がより多くの熱をレンガに蓄えられるため、ペチカに向いていると言っても良いかもしれません。

そんな訳で、ペチカはしっかり乾燥した薪をある程度勢いよく燃やしましょう。火持ちより「火力」です! というのが今回のお話しでした。

 

最後に、事務所で毎日焚いているペチカ煙突内部の写真を1枚。

メチャメチャキレイです。因みに事務所のペチカを使い始めて10年以上経ちますが、煙突掃除は一度もしていませんよ。

それと、もしペチカの煙突掃除をご希望の方がおりましたらお気軽にお問い合わせください。上伊那地域内であれば大体2.5~3万円前後で専門の業者に見てもらえます。煙突の掃除だけでなく本体のメンテナンスも同時に見てくれますので、数年に一度のこと、安心を買うつもりであれば決して高くないと思います。

 

 

 

 

 

 

見学会お礼

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週末に行われた松本市での完成見学会には、雪の降る寒い中にもかかわらず多くの皆さまにお越し頂き本当にありがとうございました。

地元(伊那)以外での見学会ということもあり、果たしてどれだけの方に見に来て頂けるだろうか…という不安もありましたが、松本の方々はもちろん中野市や佐久市、さいたま市からもわざわざ電車でお越し頂いたりと、多くの皆さまが見に来てくださりました。

 

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見学会両日とも雪の積もる寒い天候だったということもあり、ペチカの暖かさが一際気持ち良く感じられた見学会でした。初めてペチカをご覧になった多くの方々は予想以上の暖かさに皆さん本当に驚かれた様子でした。

日が陰ると外気温が0℃近くまで下がるような寒い週末でしたが、ペチカのお陰で室内は常に20℃以上を保ち、室内にしばらくいるとペチカの輻射熱で身体の芯までポカポカと温まることに皆さん感心されていました。

 

 

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輻射熱というのは空気だけでなく”そのもの自体”(床や壁、天井など)を暖めるため、家全体が熱を持ち室内のどこにいても暖かさを感じます。空気だけを暖める暖房(エアコンやファンヒーター)との決定的な違いはココです。特に無垢の木材や漆喰・珪藻土などの自然素材は蓄熱効果に優れているためペチカから放出される輻射熱をしっかりと溜め込むことが出来ます。これは私たちが自然素材を使う大きな理由の一つでもあります。
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今回の見学会でも様々な出会いがありました。
地元松本でリンゴ農家をされている方
安曇野でカフェを開く夢をお持ちの方
独立して設計事務所を開かれた方
林業に携わっていて木材を通じてどうしたら地域がもっと元気になれるか真剣に考えておられる方
色々なお考えをお持ちの皆さんとお話しさせて頂くのは本当に楽しい時間でした。

ゆっくりお話しさせて頂いた方もそうでなかった方も、皆さん本当にありがとうございました。多くの出会いに感謝!

 

 

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食品庫兼納戸。
キッチンは家の中でも物とゴミが一番溢れる場所。小さくてもよいので出来る限りキッチンの近くには収納を取るようにしています。
特に最近は家族との対話を重視した「対面キッチン」が増えていますが、実はこの対面キッチン、物の置き場所が少なく皆さん以外と苦労されています。そんな場合でもちょっとした収納庫があるだけでずいぶん使い易いキッチンになります。

 

 

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このお宅のキッチンは対面式ではありませんが、振り向けば食器棚や作業テーブルがあり作業動線的にはとても使い易いキッチンです。
90cm角の作業テーブルは、食器や食材の一時置き場や調理した物を盛り付けたりと、食卓テーブルとキッチンとの中継地点として大活躍します。ちなみにこの作業テーブルではご主人が餃子を手作りされるとのことなので、天板には食品を扱っても変色の少ない桜(サクラ)の板を使用しています。

 

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タイル敷きの洗面カウンターは、造りはシンプルですが飽きの来ない素材とデザインで。

 

 

 

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会場の外では今回も木材の特価販売をさせて頂き、興味のある方が何人も来てくれました。
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スタッフが即興で作ったベンチとテーブルは意外と好評。ベンチはお礼と言っては何ですがお施主様に使って頂けたらと…(笑)
玄関前に置いて頂ければ、買い物帰りに荷物をちょっと置いたり、ベンチに座って靴ひもを結んだり、何かと便利だと思います。

 

 

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師走の何かとお忙しい時期にも関わらずお越しくださった皆さま、本当にありがとうございました。またこの見学会に全面的にご協力頂いたお施主様にも感謝いたします。

今朝はマイナス5℃まで下がった伊那です。いよいよ冬本番を迎えて寒さ厳しい季節になりましたが、皆さま体調にはお気を付けてお過ごしください。

 

 

 

 

ペチカ焚いて〼

11月も半ばを過ぎ、朝晩の冷え込みがグッと厳しくなってきましたね。こちら伊那では昨日の朝、氷点下2度まで冷え込み今年一番の寒さとなりました。
今年もいよいよペチカが活躍する季節がやってきました。

 

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事務所のペチカも毎朝一時間ほど焚いています。今は未だ朝か夕方のどちらか1回焚くだけで十分暖かいのですが、12月に入り本格的な冬を迎えると朝晩2回焚くようになります。

 

 

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事務所のペチカでは、焚口の鉄板にタライやヤカンを乗せペチカの熱でお湯を沸かしています。ペチカを焚くと空気が乾燥するため、タライやヤカンのお湯で少しでも湿気を補おうというわけです。それ以外にもタライのお湯で缶コーヒーを温めたり、ヤカンのお湯は10時と3時のお茶に使ったりと色々と便利です。

 

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パチパチと心地よい音を立てながら真っ赤に燃える炎に見入っているとあっという間に時間が経ってしまいますが、燃え上がる炎には人を引きつける魔法の力があるような気がします。
最近では野焼きや焚き火が少なくなり、火の周りに人が集まって暖を取る光景がめっきり少なくなってしまいましたが、ペチカでも薪ストーブでも、家の中の何処かに炎が見える場所があるだけで家族が自然と集まってくる、そんな力が炎にはあります。

 

 

人が集まる、と言えばもう一ヶ月も前になりますが、
下諏訪の「マスヤゲストハウス」というところにペチカの火入れを兼ねて炊き方の説明をしに行ってきました。
http://masuya-gh.com/

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こちらのゲストハウス、築100年以上も経つ古い旅館(旧ますや旅館)を改築したもので、オーナーの斎藤さん(お若い女性)からの依頼でペチカを入れさせて頂きました。

 

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幾つもの時代を重ねて風合いの刻まれた古い建物が、更に若いオーナー達の感性で新たにリノベーションされ、本当に居心地の良い空間に仕上がっていました。

 

 

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私たちがペチカの焚き方説明をしている間も沢山の方たちが集まってきて、スタッフなのかお客なのかもよく分からないまま、最後には皆さんと一緒にブランチまで頂いてきました。

 

 

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日本各地から性別・年代・職業を問わず様々な方たちが集まるゲストハウス。お時間の許す方は是非一度訪ねて見てはいかがでしょうか。この季節、暖かいペチカと美味しいお酒が出迎えてくれるハズです。

ちなみに、私どもの事務所も毎日ペチカを焚いていますので興味のある方はいつでもどうぞ。お酒は出ませんが美味しいコーヒーを入れて皆さまのお越しをお待ちしております。