和室の畳をフローリングに替えて欲しいという依頼が時々あります。
先日も和室(寝室)にベッドを置くのでフローリングにしたい、
という依頼を受けてアカマツの床板を張る工事をしました。
畳の上を歩くと、場所によって随分と沈んでしまう所があるため、
畳をめくってみたら、畳の下に張ってある荒床(あらゆか)と呼ばれる板が
無垢の板では無く、昔の合板が張ってありました。
特に昔の合板は30年以上も経過すると床板の強度が弱くなり、
場所によっては踏むとフワフワ沈むところが出てきます。
和室の回りの縁側も合板の床板が張ってあり、和室と同じように
年数が経って随分と傷んできたので一緒に張り替えることにしました。
畳をフローリングに替える工事は比較的やりやすい工事です。
というのも、一般的な畳の厚みは2寸(約6cm)あるため、
畳を取り除いた後に、1寸5分(約4.5cm)の根太を元々入っている根太と
直行方向に流して、その上に5分(1.5cm)の床板を張れば、
壁を一切いじらずに元の床の高さのままで納まるからです。
更に、新しく入れた根太の間に断熱材を入れることで、床下からの冷えも
同時に抑えることが出来るため、お客さんからは大変喜ばれます。
縁側の床は張り替えると言っても、元々張ってあった合板の床板を
剥がすことはせずに、その上から1.5cmの無垢板を貼ります。
合板を剥がして張り直した方が良いのでは?という意見もありますが、
そこは敢えて上記のやり方でやることが多いです。
理由は、
①余計なゴミを出さない
②手間を抑える
③寝室との段差が小さくなる
③については、古い家の場合に有効なのですが、
昔の家は板の間と和室との堺にある敷居(しきい)で1寸(約3cm)
の段差があるからです。(畳の部屋だけ周囲より3cm高くなっている)
縁側の床が1.5cm高くなることで、和室との段差が小さくなる、
と言うのが③のメリットなのです。
この工事、以外と素人でも出来たりします。
もちろんある程度の経験と道具が必要ではありますが、最近は若い方が
古い民家を自分たちでリフォームするケースが増えていて、
そんな方たちに、過去何件も床板や根太材だけお売りしたりしています。
もし興味がある方はお気軽にお問合せ下さい。
ただ、大工さんに施工して貰った方が断然キレイに仕上がります。
特に年数の経った家は部屋の形が歪んでいたり、高さもあちこち違っていたりして、
仕上がってしまえば何てことないように見えますが、実はとても手間が
掛かっているんです。
僕はいつも口だけで簡単に最もらしいこと言っていますが、
それを実際にこうやって形にしてくれる大工さんってやっぱりスゴイ!!
有賀製材所 有賀真人