はらぺこ卒園式

 

昨日伊那市東春近にある「NPO法人 山の遊び舎はらぺこ」 通称はらぺこ保育園の卒園式に出席させていただきました。

 

朝から大粒のみぞれ雪の降る寒空の下でしたが、元気に8人の子どもたちが先生や仲間、保護者たちに祝福されて巣立って行きました。

はらぺこ保育園との繋がりは随分と古く、今の場所に移って本格的に活動を始めた頃(今から十数年前)まで遡ります。古い民家を借り受け、先生や保護者が一緒になって手を入れて園舎を改築した際に、床板や壁板をうちでお譲りしたのがキッカケでした。

うちのお客さんではらぺこの活動に熱心な保護者さんが居られ、その方を通じて色々と関わらせて頂きました。古くなって雨漏りの酷かった園舎の瓦屋根をトタン屋根に葺き替えたり、製材工場から出た端材を引き取ってもらったり、ここ数年は子供たちが裏山から切り出してきた丸太を製材して板にする活動にも関わらせていただいていて、昨年の秋には園児たちみんなで製材工場に見学に来てくれたりもしました。

 

毎年卒園式、入園式の案内を頂いておきながらずっと不義理をしてきたこともあり、今年こそは是非出席したいなぁと思っていたところだったのですが、温かい心のこもった卒園式、イヤイヤ本当に良かったです!!

卒園証書を一人ずつ丁寧に読み上げる小林先生の「みんなあなたが大好きです」の言葉。なんてすてきな言葉でしょう!我が子のことでもないのに初っ鼻から涙腺崩壊寸前でした。

式次第の中でも特に良かったのが「卒園児技(わざ)披露」のコーナー。おそらく毎年恒例の一幕なんでしょうが、子どもたちが自分の特技をみんなの前で披露する姿は本当に感動モノでした。

ある子どもは薪割り、ある子どもは手作りポーチの洋裁、他にも家わたり、手話で歌を披露等々。片手で卵を割るのを披露した子なんかプロ並みの手つきで本当に「技」の披露でした。

 

薪割りは、おそらく固い広葉樹でまだ生っ木だったせいかなかなか割れません。顔を真っ赤にしながら何度も何度もチャレンジ。見ている方はついつい手を貸したくなってしまうんだけど、基本的に周りの大人も手を出しません。本人も決して諦めず、ようやく割れた時には会場全体が大拍手! 本当によく頑張ったなぁあの男の子。そして本当にいい顔をしてた!! 斧を振り下ろす腰つきも大したもので将来有望な木こりさんか? 製材所として今からオファーを出したくなりました(笑)

 

子どもたち一人一人が時間が掛かってもチャレンジしようとする姿勢、そしてそれを黙って見守る子どもたちや先生保護者のまなざし。とにかくその時間、その空間がとても心地よかったのです。改めて、子育てって「待つ」ことなんだなぁと実感したひと時でした。

 

昨今のコロナウイルスによる突然の休校、様々な行事自粛により、この春卒園・卒業予定の多くの子どもたちが寂しい春を迎えようとしています。そんな中でこうしてはらぺこ保育園が卒園式を開催できたことはとても意義深いことではないでしょうか。僕も出席出来て本当に良かったと思っています。ありがとうございました。

8人の卒園児のみんな達。卒園本当におめでとう!

 

 

千年餅

 

昨年秋に着工した駒ヶ根の新築現場。

 

 

建築設計室ヴェクトルの倉田さんによる設計です。

 

 

12月に無事建前を終え、年が明けた1月吉日、改めて上棟式を行いました。

 

今回はお客様の希望で千年餅を投げることにしました。

前もってご近所さんに声を掛けてくれていたため、時間が近づくと皆さん集まってきてくれました。

僕らが子供だった頃は年に何度かこのような機会があり、その度にずいぶん早くから集まっては、屋根の上で作業している大人に向かって「早く餅投げてー」なんて叫んでいたものです。今ではすっかり珍しい風景になってしまいましたね。

 

 

 

 

それにしても、千年餅・おひねりに加えて、子供たちの喜びそうなお菓子もたくさんご用意頂いたので、投げる方も拾う方も大興奮!! 大人も子どもも無我夢中のひと時でした。餅投げってこんなに楽しいものだったかと改めて実感したのと同時に、ご準備頂いたお客さまに感謝!

一生に一度あるかないかのお建前、お客さまにとっても忘れられない思い出になったのではないでしょうか。

 

さてその後は、、、

春の完成を目指して、現在急ピッチで造作中。

 

地元アカマツ材で組んだササラ階段。もの凄く昇り易いです。

 

 

7種類の木を使った色々天井

 

地元の塗装屋さんが丁寧に着色してくれたヒノキの外壁。

完成までもう一息です。

 

リビルディングセンター(諏訪市)

 

先日、諏訪市にあるリビルディングセンターへ行ってきました。http://rebuildingcenter.jp/

 

リビルディングセンターは、今から4年前にデザイナーの東野唯史(あずのただふみ)さんが起ち上げた会社で、地元建設会社所有の古い鉄骨倉庫を借り受け、自分たちでリノベーションして見事に店舗へと蘇らせた、知る人ぞ知る古材を扱う専門店。

今回は店舗の一角に入れさせて頂いたペチカのメンテナンスで伺いました。

 

 

東野さんとの出会いは今から6年前、やはり東野さんがデザイン改修を手掛けられた下諏訪町にあるマスヤゲストハウスにペチカを入れさせていただいたのがキッカケでした。http://masuya-gh.com/ その時にペチカの温かさに惚れ込んでくれて、リビルディングセンターにも取り入れてくれたのです。

最後に顔を出してから約2年ぶりの訪問でしたが、その間にお店の方も随分とパワーアップしていました。

県内各地から引き上げてきた古材が所狭しと並んでいます。

 

また、古材だけでなく古道具や古家具なども置いてあり、古いものが好きな方にはよだれが出そうな空間です。

 

1階のカフェではスタッフさんが美味しそうなカレーの仕込み中。何とも言えないスパイシーな香りが漂っていて、ちょうど夕方のお腹が空く時間帯だったのでお腹がグーグー(笑) 次回は必ず食べるぞ!!

 

ところで、東野さんは昨年自宅として購入した民家を「断熱リノベーション」したそうです。信濃毎日新聞にも大きく記事として取り上げられたので僕も知ってはいましたが、これからの時代は古い家の改修にも「断熱」が大事だという話でしばし盛り上がりました。

実は最近いろんな所でいろんな方と、この「断熱改修」が話題に上がります。これからの時代古い建物を直して住み続ける動きが益々加速していくハズ。古い家でもちゃんと手を入れれば新築と同様に快適に過ごすことが出知ることを、我々設計者・施工者が先ず勉強しなければいけない時代が来ています。

 

 

最後に、、、

有賀製材所の近く(伊那市西箕輪大萱)に昨年オープンした地ビールとピザのお店「伊那デイズブルーイング」https://www.inadazebrewing.com/ も東野さんがデザインを手掛けられたそう。 信大農学部卒の女の子がお店を切り盛りしています。一度友人と行きましたがピザがとても美味しかったです。興味があれば是非!

 

 

ヴェクトル展「ふだん木の暮らし」のお知らせ

 

建築設計室ヴェクトル代表、一級建築士 倉田政人さん設計の住宅内覧会が、2/22(土)・23(日)に伊那市内で開催されます。

 

倉田さんとは、うちから設計をお願いしたり、また倉田さんが設計した住宅をうちで施工させて頂いたりと、もう15年以上の長い付き合いになりますが、この度、二年前に完成した倉田さんの自宅を開放して、地域材を使った住宅と薪を燃料にした温熱供給システムの内覧会を企画されたとのことなので、是非一人でも多くの方にご覧頂きたく告知させて頂きます。

住宅に使用した木材の多くを地元の木を使っています。若手林業士 金井渓一郎さんに丸太の供給を依頼されて、市内で伐採されたアカマツ、カラマツ、スギ丸太をうちに持ち込み、製材・天然乾燥・二度挽きを経て住宅の構造材として使用しています。

また、高性能ウッドボイラーを導入し、住宅で使用する給湯・暖房全ての温熱を「薪」で賄っている点も大きな見所の一つです。今のところは1軒だけへの温熱供給ですが、将来的にはあと2軒分を賄う計画となっているようで、森林と暮らしが密着しているこの地域だからこそ出来る取り組みで、これから注目の小規模型地域熱利用の先駆け的な事例ではないでしょうか。実際に1年半稼働させてみた結果もとても興味深いところです。興味がありましたら是非お気軽にお越しください。