2020年(令和2年)の振り返り

 

2020年(令和2年)がもうすぐ終わろうとしています。

 

今年初めの時点では、コロナ禍による緊急事態宣言、外出自粛令の発令、学校の休校、オリンピックの延期など、誰も想像し得なかった激動の一年となりました。

 

経済活動の自粛に伴い、特にインバウンドを始めとする観光業界、それから飲食業界の皆様のご苦労は、想像を絶するものがあったと思います。

 

私たちの置かれた建築業界も、一時海外からの資材流通が滞り、工事がストップする事態に見舞われたこともありましたが、それでも全般を通じては、忙しく仕事をさせて頂き、コロナ禍の影響をまともに受けた他の業種に比べれば、恵まれた一年であったと、本当に感謝の気持ちを込めてこの一年を振り返ってみたいと思います。 ※長文です

 

 

 

先ずは【建築編】

 

春のGW前後から、例年にも増してウッドデッキ材の注文を沢山頂きました。施工まで含めた注文以上に、「材料だけ」の注文が多く、緊急事態宣言下で外出出来ずに、この際自宅のウッドデッキを張替えようか・・・といったケースが多かったと思われます。

 

 

突然飛び込みでやって来られたお客様。住宅は別の会社さんで施工したそうですが、デッキだけは自分たちで作りたいと、色々探して弊社に連絡を頂きました。

材料の木取りや施工方法など何パターンか一緒に考え、最終的に素敵なデッキが完成しました。

 

 

 

カラマツ材のウッドデッキ

 

 

材料だけ買われて、GWにご家族総出であっという間に張り替えたヒノキのウッドデッキ。

 

 

 

こちらは以前のウッドデッキが20年以上経って、ずいぶんとくたびれてきたので、新しく貼り替えです。娘さんの里帰り出産に間に合って良かった!

 

 

 

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薪棚(薪小屋)の工事も幾つも注文いただきました。

 

材料の手配と加工(プレカット)、基礎工事まではこちらで段取りし、塗装と組み立てはご自分でやって頂くことで、多少なりとも工事費を下げられます。

 

 

 

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住宅の「リフォーム工事」。

 

秋に施工させて頂いた、お風呂の改修工事。

 

 

 

脱衣場と浴室の段差を無くし、更に浴室暖房機を付けました。

今までの浴室とは比べ物にならないくらい、温かく快適になったと仰っていただきました。

 

 

 

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夏に工事をした、大規模なリフォーム工事。

 

コロナ過の影響で職を変え、都会から実家へ戻ってくる娘さんのために、主に水回り(浴室、台所、洗面所、トイレ)を中心に全面改修しました。

 

 

写真では分かり辛いですが「内窓樹脂サッシ」を取り付け、窓の断熱性能を上げています。

 

 

キッチンはタカラスタンダードの新製品

 

 

 

 

洗面カウンターは「ハンノキ」、陶器はTOTOの病院流しを使用。洗面用途以外にも、靴や汚れ物もじゃぶじゃぶ洗える農家さんならではの使い方です。

 

 

 

 

職人さんに色々教えてもらいながら、ストーブの炉台に自分たちで集めたモザイクタイルを貼ったりと、今流行りのDIY女子さん。一緒に仕事をするのがとても楽しかったです。

 

 

 

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ほんの一例を掲載させていただきましたが、それ以外にも、

 

◆ 屋根、外壁の塗り直し工事(多数)

◆ 古くなった建物の解体工事(多数)

◆ 瓦屋根の葺き直し工事

◆ お隣との境界に擁壁(ようへき)を作る工事

◆ ペチカ設置工事

◆ キッチン入れ替え工事

◆ etc

 

「新築工事」と併せて、本当にたくさんの仕事をさせて頂きました。

 

 

 

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次に、製材所のもう一つの大事な仕事【製材編】の振り返りです。

 

ここ製材所には、日々様々な丸太が持ち込まれます。賃挽き(ちんびき)と言ってお客さんが持ち込んだ丸太を指定のサイズに製材する仕事です。

 

高遠町で林業と木材屋さんを営まれているM木材さんからの賃挽き依頼。

いつも広葉樹を主に持ち込まれます。

 

 

上の写真は「ホウの木」です。

やや緑がかったキレイな色合いの木で、割と柔らかい木質のため、家具や彫刻、まな板などにも使われます。

 

 

伊那で個人で林業を営んでいるT島君の賃挽き依頼。

丸太の種類は「クヌギ」です。ナラとよく似たどんぐりの実がなる木ですが、ナラに比べると、一般的には価値(値段)が下がる木なのですが、挽いてみたら意外や意外、とてもキレイな杢目で素晴らしい板が取れました。

 

 

 

箕輪町で木製の自転車を製作されているY田さんからの賃挽き依頼。

薪にするつもりで取っておいたナラの木ですが、あまりにも立派で勿体ないということで製材することに。こちらも素晴らしい板が取れました。

 

 

上記の方々は、たまたま写真があったため紹介しましたが、それ以外にも、日々本当に沢山の皆さんが丸太を持ち込んで下さりました。

 

 

伊那の赤松丸太をもっと気軽に有効利用出来ないかということで、ホームセンターに置いてある「ツーバイ材」と同じサイズで製材・乾燥・加工して、ご自身で販路を開拓されているK平さん、

 

自分で林業もしながら、山で出たクリの丸太を製材して、フローリング材としてご自身で販売されているK井君

https://natanoko.exblog.jp/

 

 

その他、個人、会社に関わらず、沢山の方がこの製材所を訪れてくださいました。本当にありがとうございます。

 

 

 

地域材を上手に使って、人と山とを繋げる仕事をしている(株)やまとわさん

https://ssl.yamatowa.co.jp/からも、いつも賃挽きや、製品の注文依頼を頂いています。

上の写真は、(株)やまとわさんが、伊那の赤松材を使った家具ブランド「パイオニアプランツ」の宣伝で、今年の2月に東京で開催されたクリエイティブの祭典「rooms40」に出店した際の写真。

 

黒く見える床材が、弊社のクリのフローリング材。特殊な塗料を塗り、敢えて表面を削らずに「ラフ材」のまま実加工だけ施した製品で、最初は難しい注文だなと思ったのですが、出来上がった物を見て納得!

 

多少の虫食いや、節穴なんか全く気にならない、むしろそれらが豊かな表情を醸し出していて、新たな製品の可能性を気づかせて頂いた注文でした。

 

 

 

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今年は例年にも増して、林業会社さんから直接丸太を仕入れる機会が多くなりました。

 

コロナ禍の影響で、丸太市場でも例年に比べて取り扱う出荷量が少なく、寂しい市売りが続きましたが、伊那林業さん、上伊那森林組合さん、島崎山林塾さんなど、直接山側と繋がることで。安定的に丸太を仕入れることが出来ました。

 

 

 

 

 

 

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最後に、伊那谷を舞台に活動を始めた「伊那谷フォレストカレッジ」の活動に混ぜて頂いたことも大変有難いことでした。

https://forestcollege.net/

 

今、様々な分野から製材所が注目されるようになってきましたが、それは製材所が、川上(丸太生産者)と川下(木材消費者)を繋ぐ重要な立ち位置に居るからです。でも、逆に言えば、我々製材所だけでは何の仕事もできないのです。山を守り丸太を生産してくれる林業家たちがいて、初めて成り立つ仕事です。

 

伊那谷の豊富な森林資源を、建築や木工といった分野だけでなく、教育、観光、飲食、様々な業種の皆さんと一緒になって森の価値を高めていく活動を、我々製材所がどのようにお手伝い出来るか、来年以降の大きな課題として考えていきたいと思っています。

 

 

今年一年、本当に沢山の皆様に支えられ、仕事が出来ましたこと、改めて感謝申し上げます。

また、今現在工事中、又は計画中のお施主様、来年以降も引き続きどうぞよろしくお願いします。

 

 

拙いブログではありますが、今年もお読みいただき有難うございました。

来年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

株式会社有賀製材所 代表取締役 有賀真人

 

 

 

 

鱗  秦基博/Bank Band

https://www.youtube.com/watch?v=V3IBokFh29Q

 

 

 

 

製材所見学

 

 

ここ数年「製材所を見学したい」という要望が増えてきました。

 

先週は、伊那市東春近にある「山の遊び舎はらぺこ」のみんな達。

 

毎年、園舎の裏山の木を自分たちで切り出してきて、その丸太をうちで製材して木工の材料にしています。

 

 

 

今年は保護者の皆さんも一緒です。

大人だって製材所に来るのは初めての経験。子どものように、、、いやそれ以上に興奮した様子で食い付いて見ています。

 

 

 

今日は「上伊那農業高校」の生徒さんたち。

帯鋸(おびのこ)と呼ばれる直径2m以上もある大きな鋸刃が回り出すと、隣の人の声が聞こえなくなるくらい大きな音に包まれます。

 

実際に製材機に乗っての製材体験。

よその製材所では、なかなかやらせてくれないかもしれませんね。

 

 

写真にはありませんが、昨日は「伊那小学校」の5年生のみんな達も見学に来てくれました。

みんな食い付くように真剣に見ていて、沢山の質問も飛び交い、写真を撮るのを忘れる位でした。

 

 

大きな音に、最初は驚かれますが、慣れてくると、迫力ある製材の風景にみんな釘付け。

 

丸太を挽くときの木の匂い、

製材したばかりの、しっとりとした木肌の感触、

 

製材所で、一本の丸太が姿、形を変え、

無駄なく全て使われていく様子を、まさに五感を使って感じ取っていかれます。

 

 

この記憶の種が、いつの日か芽吹き、

林業、製材、木工、建築・・・

 

一人でも多く、森や木に携わる仕事を目指してくれる子どもたちが増えるといいなぁ、

そんな思いで、製材所見学を受け入れています。

 

 

夏の終わりのハーモニー  井上陽水/玉置浩二

https://www.youtube.com/watch?v=WCSeiSOaHxY&list=RDWCSeiSOaHxY&index=1

 

 

 

 

 

 

長和町小林木材(株)様へ見学

ちょうど1ヶ月ほど前になりますが、長和町にある小林木材(株)さんへ、製材所の見学に行ってきました。

小林木材さんはカラマツ材をメインに製材する、県内でも有数の製材所です。http://www.koba-moku.co.jp/

 

うち(有賀製材所)も、かれこれ30年、カラマツ材を積極的に扱ってきただけに、他の製材所がどんな風に製材しているのかとても興味がありました。

場所は、伊那から行くと和田峠を越えた向こう側(旧和田村)にあり、周りを緑に囲まれた自然豊かな所です。

事前に社長に電話で見学の申し出をした際には、「いやー うちなんかに見学に来てもあんまり見るとこはないよー(笑)」何ておっしゃっていましたが、実際に行ってみると何棟もの工場・社屋が建ち並び、あちこちに立派な信州産カラマツ丸太がゴロゴロと積み重なっていて、のっけから興味津々の我々スタッフたち。

 

早速小林社長が出迎えてくださり、工場の中を案内して頂きました。

現在の小林基英社長は2代目で、息子さん、その他十数名の従業員と共にカラマツ材をメインとした製材、請負、様々な製品の製造を行っています。

カラマツの構造材(梁・桁材)

うちは構造材に関しては天然乾燥主体でやっていますが、小林木材さんは木材乾燥機3台をフルに活用して、より安定して乾燥材を供給出来る体制が整っています。

 

上の写真は木材乾燥機へ熱源を供給するためのウッドボイラー。以前は燃料に灯油を使っていた時期もあったそうですが、工場から排出される端材や木の皮などを燃料とすることで、今では灯油を使わずに24時間体制で木材乾燥機を稼働させているとのこと。この徹底ぶりは実はスゴイ事で、なかなか真似できません。

 

 

 

戦前から戦後にかけて、成長が早いという理由で特に長野県内では積極的に植林されたカラマツですが、ねじれやヤニの問題、更には海外からの外材に押され、世間一般的には、” カラマツなんて ”と言われ、建築用材としては敬遠されることの多い材でした。

でも本当は大変優れた木なのです。赤身の美しい木目、優れた木材強度と耐久性は他のどんな木材にも負けません。カラマツの欠点と言われる「ねじれ」も、上の方の写真にあるような大径木であればそれほど心配なく使えます。

最近はカラマツの需要が増えてきて、特にここ数年で全国の合板工場がこぞってカラマツ材を仕入れるようになりました。合板とはいえ建築用材としてのカラマツ需要が増えるのは悪くないことですが、でもやっぱり我々製材所を営む者からすると、出来れば無垢の木材を使いたい、使って貰いたい思いが強いのです。

うちも長いことカラマツ材を扱ってきましたが、小林木材さんでも同じように、イヤうちよりももっと多くのカラマツ材を積極的に扱っている姿勢に大変心強いものを感じました。そして、普段よその製材工場を見ることが少ない我々にとって、色々と刺激を受けた見学会になりました。

 

最後に小林社長(右から2番目)と記念写真。とても気さくな社長で、じっくりと時間を掛けて会社内のあちこちを丁寧に案内してくださいました。お忙しい中にもかかわらず気持ち良く迎えてくださり、本当にありがとうございました。

有賀製材所 有賀真人

 

 

 

ブログ再開です

長らくほったらかしにしていた有賀製材所のホームページとブログですが、久方ぶりに更新いたしました。

 

ご存じの方もおられると思いますが、昨年9月に有賀製材所が二つの会社に分社いたしました。

私の父「有賀進」が代表となり、私以外の2名の設計士、その他数名の従業員と共に、有賀製材所の第2工場だった場所に、木造住宅専門の工務店 「(株)こだま建築舎」 を立ち上げました。先ずは有賀製材所とこだま建築舎共々今後ともどうぞ宜しくお願いします。

ただ、有賀製材所の顧客の皆さまにとっては、大変分かり辛い分社で、「住宅のメンテナンスや、困ったことがあったときの相談など、どこに相談したらいいのか分からない」といったお声を幾人ものお客さまから頂きました。おそらく同じようなご不安をお持ちのお客さまも大勢おられるのでは、と思います。

有賀製材所としましては、住宅・ペチカのメンテナンスや、住まいに関する相談事など、どんなことでも今まで通り何ら変わらず対応いたしますので、何かありましたらいつでもお気軽にお声かけください。

本来であれば、一軒一軒お伺いしてご説明しなければならないところですが、大変遅くなってしまいましたが、この場を使ってご報告させて頂きます。

 

さて、私たち有賀製材所はこの伊那の地で90年以上に渡り製材所と工務店を営んでまいりました。

製材所では、長野県産の多種多様な丸太を製材して、住宅に使う様々な材料を生産していますが、今その製材所が大変貴重な存在になってきたことを、ここ数年で特に感じるようになってきました。以前は地域の中に当たり前に存在していた、うちのような小規模な製材所がどんどん姿を消しているのです。最近では伊那地域以外の遠方からの製材依頼や製材品の注文が増えてきました。

 

 

 

今までの有賀製材所は自社で請けた住宅用(自家用)としての製材や製品加工がメインでありましたが、品質の更なる向上や営業努力を行い、長野県産材、更には伊那産材といった地域材・地元材の魅力と価値をもっと多くの工務店、設計事務所、木材業者にも知って頂き、更には使って頂くことも、これからの有賀製材所に課せられた大きな使命ではないかと思うようになりました。

製材所の仕事は、簡単に言うと「丸太を製材して製品にする」ことです。それは、林業家、素材生産者、治山業者、木材市場といった「川上」と呼ばれる人たちと、設計事務所、工務店、木材業者、大工さんやお客様といった「川下」と呼ばれる人たちとを「繋ぐ」とても大事な仕事です。これだけ森林資源に恵まれた伊那谷であっても、「川上」と「川下」が交わる接点が本当に少ない中で、有賀製材所が自社のことだけを考えて仕事をしていたのでは、あまりにも勿体ない話ですよね。人と人との繋がりを大切にしながら、地域の中の他の工務店、設計事務所、木材業者さんもライバルではなくパートナーとしてお付き合いしていけたら嬉しいです。

 

お陰様でこの製材所には毎日本当に色んな方たちが訪れてくれるようになりました。最近では製材所の仕事を見たいと、定期的に製材工場の見学に来ていただける方たちも増えてきました。でもそれは、私たちの意識が変わってきたからではないかと思います。私たち自身がこの製材所の仕事に誇りを持ち、多くの出会いに感謝して仕事に向き合うことで、自ずと様々な人が集まってくる製材所になってきたと感じます。

「あそこに行けば何か面白いことがある」

「色んな新しい出会いがある」

「もう一回行ってみたい」

有賀製材所を訪れてくれた方々がそんな風に感じていただけるような会社をスタッフ一同目指します。

そして有賀製材所のもう一つの大事な「家を建てる仕事」も、様々な人と人との繋がりを元に、製材所ならではの地元の木材を使って、丁寧に、じっくりと、時間をかけて手掛けていきたいと思います。

 

 

ホームページやブログはあくまでもほんの一例であって、全てではありません。有賀製材所がどんなところか気になった方は是非直接足を運んでみてください。製材機の回る迫力ある音と木の香り、地域材と自然素材を使って建てたショールームを兼ねた事務所、そしてペチカ等々。実際に五感を使って有賀製材所を見て頂けたら幸いです。皆様のお越しを心よりお待ちしております。

 

(株)有賀製材所 代表取締役 有賀真人 (昭和46年生まれ 一級建築士)

丸太の買い付け

 

 

有賀製材所で扱っている木材の元になる丸太(原木)は、主に県内各地の市場から買い付けています。

県内外より買い付け人が集まり自分の欲しい木にそれぞれ値段を付けていき、最終的に一番高く値を付けた人が競り落とす仕組みです。
同じ木でも季節によって価格が変動したり、転売目的で大量に買い取る業者もいる中で自分の欲しい木を競り落とすのは、まさに長年の経験と勘がモノを言う世界です。

 

 
DSC07796松本市にある「中信木材センター」
ヒノキ、スギ、カラマツ、アカマツ、ナラ、クリ、……
様々な種類の丸太が広大な敷地に所狭しと並びます。

 

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写真の丸太は「モミ」の木です。
小さい若木はクリスマスツリーに使ったりしますが、大木になると諏訪のお祭り「御柱祭り」にも使われる木です。
このモミの木は粘りがあり釘を打っても割れにくいため、よく下地材として使います。
下地材というのは名前の通り表からは見えずに隠れてしまう材なのですが、仕上げ材を支える重要な部材になります。

 

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この丸太は「アカマツ」です。県内のどこにでも生えている木で、よく手入れをされたアカマツ林では松茸が採れることでも有名です。
幹の表面が赤色をしているのでアカマツと呼ばれますが、内部は白っぽい色をしています。有賀製材所ではこのアカマツから主に床板(フローリング)を取ります。

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アカマツの床板と腰板。
適度な堅さと適度な温かさがあり、使い込むうちにツヤが出てとても良い風合いに変化していきます。

 

 

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地元伊那にある「伊那木材センター」では先日の市売りでヒノキの丸太が出ていました。
写真のように何十本もまとめて一山単位で競りに出されることもよくあります。
基本的には「1立方メートル当たり幾ら」という単位で入札をするのですが、写真の丸太の山は「20立方メートル」近くあるので入札金額も慎重に決める必要があります。
丸太の曲がり具合、節の有る無し、年輪の細かさなど様々な要素を考慮して入札金額を決めていきます。
ちなみに写真のヒノキ丸太からは4寸角の柱材が取れそうでしたが、今は在庫があるため今回の入札は見送りました。

 

 

 

DSC08008飯田市の隣り、喬木(たかぎ)村にある「飯伊森林組合」です。
長野県でも南の地域(南信地域)はスギの産地でもあるため、今回の市売りでもスギが沢山出されていました。
有賀製材所で建てる板倉造りの家はスギの厚板を大量に使うので、丸太もある程度まとめて仕入れることが多くなります。

 

 
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それ以外にも、木曽や北信(長野市)など県内各地まで足を運んで丸太を仕入れてきます。

 

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競り落とした丸太は会社のトラックで運んだり、場合によっては運搬業者に依頼して運んでもらったりします。
こうして県内各地から集めた純粋な「長野県産の丸太」を、製材・乾燥・加工して有賀製材所では家を建てています。